高校生向け起業体験プログラム

スタートアップ・ユースキャンプ ワークショップ

スタートアップユースキャンプ

スタートアップ・ユースキャンプ ワークショップ

活動レポート

スタートアップ・ユースキャンプ 2023.09.22

【開催レポート】スタートアップ・ユースキャンプ2023 DAY5

スタートアップ・ユースキャンプの発表会を8月19日(土)にナゴヤイノベーターズガレージにて開催しました。

今年度は会場での観覧者を募集し、保護者や教育関係者だけでなく一般の方が来場、オンライン配信でも多くの方にプレゼンテーションの様子を視聴してもらいました。

午前中は発表に向けて、チームごとに分かれてこれまで伴走してくれた社会人・大学生メンターと一緒に発表の準備を行いました。リラックスして談笑しているチームもあれば、発表資料の順番を入れ替えてギリギリまで発表内容を議論するチームや発表の小道具を作成するチームがあるなどと様々ですが、どのチームも発表会開始ギリギリまで準備をしていました。

発表会には、6月24日(土)に開催したプレイベントの講演会「TEENS meetup」に登壇してくれた長曽我部竣也さん(FiberCraze株式会社 代表取締役社長)は会場から、関芳実さん(株式会社StockBase 代表取締役)はオンラインで観覧。

この日は参加できなかった朝倉 祐介さん(アニマルスピリッツ合同会社 代表パートナー)は、動画で「起業を体系的に学ぶ機会がないので、高校生と大学生・社会人と土俵は同じ。10代のタイミングで起業を学ぶ機会は大きな財産。この経験を活かして実際の起業にチャレンジして欲しい」と応援メッセージを届けてくれました。

主催である名古屋市経済局の吹上康代局長からの開会挨拶と激励メッセージの後、観覧者向けにファシリテーターの元木一喜さんと飯田一弘さんから実例紹介としてこれまでのワークショップや活動の振り返りを行いました。

いよいよ、参加高校生によるプレゼンテーションです。

全5チームが発表した事業内容をご紹介します。

Aチーム

「Seeds of FUTURE」

小学生に、文化祭をいちからつくりあげる体験を提供する。

一人一人が自分の将来に自信を持ち、可能性に満ちた人生を歩むサポートを提供することが目的。子供たちの経験の差や、成人しても自分の道が見つからない人が多いという課題を解決するため、自発的行動を促進する機会として、子供たちに自分たちで楽しめる文化祭を作りあげる経験を提供。

Bチーム

「トクイ発見!プロジェクト」

「スマクル」というスマートフォンと一体型のハンディファンの提案。

スマートフォンに取り付けて使用することができ、暑い日に外出先で涼しく過ごすことができるという特徴がある。また、イベントグッズとしての利用やカスタマイズについての詳細を紹介。

Cチーム

「トクイ発見!プロジェクト」

高校生による小学生向けの学習支援プロジェクト。

目的は小学生に自身の特技や興味を見つける機会を提供すること。自分の強みや興味を自覚できずに進路選択に困る問題を解決し、子供たちが幅広い分野に触れる機会を増やし、将来の選択の幅を広げることを目指す。

Dチーム

「1日転校」

高校生に他の学校の日常を体験させるためのプログラム「1日転校」の提案。

異なる環境や文化に触れることで、自分たちの視野を広げることを目的としている。このプログラムを通じて、学生たちのコミュニケーション能力や理解を深めることを目指す。

「フードコートの快適利用」

フードコートにQRコードを設置してアプリ上で注文・決済させるシステムの提案。
このシステムは、フードコートでの注文や決済をスムーズにすることを目的としており、特に親子や一人での利用者に対しての利便性を強調。具体的な実装や販売方法を提案。

Eチーム

「highcan」

全国の高校生がひとつのコミュニティとしてつながれる高校生のためのコミュニティアプリ「highcan」。

高校間での交流や情報共有を促進、学校の課題を共有し、他の学校がどのようにそれを解決しているかを知ることができる、各学校の特色や日常を共有することができるブログの機能など。

ちなみに今回、最後まで事業アイデアを絞り切れず、事務局に対して「2アイデア発表したいので、発表時間を延ばして欲しい」という相談がありました。こういったチャレンジを受けたのは事務局も初めてのことで、常識にとらわれた判断をしたくない一方で、1チームのみ時間を延ばすことはピッチイベントにおいては公平性を損なう恐れがあります。事務局も悩みましたが、全チームの了承のうえ、今回に限り時間を延長することにしました。
発表後の講評では、「プレゼン内容はひとつ、時間は決まっていると考えがちだが、ルールに縛られずに発表時間の交渉をしたことが素晴らしい」という評価がありました。

全チームが発表を終えて、ゲストである日本政策金融公庫の工藤秀利さん、長曽我部さん、関さんからの総評です。それぞれのコメントをご紹介します。

工藤さん

別々の高校からの参加で短い期間の中、プロトタイプが出来上がるなど発表の完成度に驚いた。どのチームも自主性ややる気を大事にしていたのが印象的。将来起業することがあれば、その気持ちを大事にして欲しい。

長曽我部さん

楽しみながらイキイキとした様子で発表していたのを見て、この2週間が充実した時間だったということが伝わってきた。高校生ならではのフレッシュなアイデアが多かったという印象。自分自身の高校時代は経験できなかったが、皆さんにとって高校生活のトップ3に入るくらい濃い時間だったのではないか。着目した課題と誰にその製品・サービスを届けたいかが具体的で鮮明であるかの方が、製品・サービスの具体的な中身より大事。自分の原体験を課題にする場合はイメージがつきやすいが、そうでない場合は現場に行ってみてどんな人がどんな課題を持っているか解像度がクリアになるまで話を聞くということをして欲しい。2週間あれば現場に行ける。そうやって仮説検証を繰り返すことで、よりよい製品・サービスを目指して欲しい。

関さん

高校生とは思えないほどプレゼンテーションの質が高く、その熱量に私自身も刺激を受けた。5チームに共通して「目指したい社会=ビジョン」が明確。一方で、どのくらいの人が使うのか、事業として利益を生み出せるのかを考える必要がある。次の一歩をどうするかを考えることで実現性が高まる。長曽我部さんも言っていたが、自分の見えない部分が現場にあるので、議論することも大事だが、現場ならではの課題を徹底的に見て欲しい。最後に、「分からないことがある」「応援して欲しい」と素直に言えていたのがよかったので、そういう若いならではの強みを活かしてどんどん開拓して欲しい。

発表会後、ゲストやコーチ・メンター、観覧者を交えた交流会を行いました。発表チームごとに席に分かれ、大人たちが巡回して感想や次のステップに向けてのアドバイスを伝えます。

最後にフィッシュボウル形式で振り返りを行いましたが、コーチ、社会人・大学生メンター、事務局スタッフそれぞれが語り、それを聞いて参加高校生が振り返るという斬新なスタイルでした。

参加高校生の成長や変化に関する話だけでなく、「高校生との距離感は適切だったか」など自身の内省や学びなど赤裸々なクロストークが繰り広げられ、参加高校生も真剣に耳を傾けていました。

連日遅くまで準備をしてきて全力を出し尽くした発表会でしたが、プログラムは今日で終わりではありません。翌日の8月20日(日)の最終日には、今後に向けての「リフレクション&アクション」のプログラムを実施します。

Copyright© NAGOYA STARTUP YOUTHCAMP All Rights Reserved.