活動レポート
【開催レポート】スタートアップ・ユースキャンプ2023 DAY3
8月6日(日)にスタートアップ・ユースキャンプ2023の3日目が開催されました。2日目までのモジュール1は「スモールビジネスチャレンジ」というテーマで展開しており、この日からはモジュール2「スタートアップチャレンジ」へと移行。新しいチームでの挑戦が始まりました。
モジュール1では、2週間で2万円を元手に価値を大きくするビジネスチャレンジに挑戦しました。結果として、顧客に価値を届け、実際に収支をプラスにするという実績を達成したチームもありました。なお残った資金は、事務局で回収しました。
「スタートアップチャレンジ」では、単にビジネスを完成させることや収益化を目指すのではなく、誰の何の問題を解決するのか、どのようなビジネスモデルを構築するのかを2週間で仮説検証し、DAY5でのプレゼンテーションを目指します。
DAY3には「ネバネットテーブル」という手法を用いて新たなチーム編成が行われました。この手法は、「マグネットテーブル」を元にしている造語です。「マグネットテーブル」とは、参加者が自分のテーマや意気込みを書き、それに基づいて似た関心をもつ参加者同士でチームを組む手法です。この方法は、単に「個人の声の大きさ」や「影響力」だけでチームを形成しないようにするという意図があります。
また、参加者全員のテーマを読むことで、無意識のうちに気になるテーマ同士が引き寄せられるという意図もあります。これを「納豆の糸」のようなものと例えて、「ネバネットテーブル」と名付けられました。異なるテーマでも、別の視点から見るとどこかで繋がっていることに気付いてもらいたいという思いが込められています。
具体的には、参加者は2週間で取り組みたいビジネステーマやアイデアを紙に書きました。例えば、「移動革命」や「高齢者の情報格差を解消したい」といった、参加者各自の課題やアイデアが挙がりました。その後、参加者全員が円形になり、隣の人のテーマを読みながら次々に紙を回していく形で進行しました。
この過程を経て6つのチームが形成されました。ところが、ファシリテーターの「このチームでの納得感は?」という問い対して、高い納得感を示したのは、2チームのみでした。残りのチームは再編成を希望。納得できていない部分について開示し合った結果、現状のチームを解体して新たなチームへ移動する場面もありました。ただ、新チーム結成は容易ではありません。それぞれの参加者が「○○を実現したい」という思いをもってチームをつくろうとしているためです。「思いが異なるあなたはチームに合流しないでほしい」と言われる可能性もあります。既存のチームに参加する際には新しい視点を持ち込むなどチームにとって必要な人物であることをアピールしながら交渉が行われました。制限時間ギリギリでの再編成希望もあり、最終的には時間を延長して5つのチームが完成しました。
午後からのセッションは、モジュール2の特色、「実務家コーチ」との交流の時間でした。コーチたちは、参加者を単なる高校生としてではなく、ビジネスパーソンとして接し、彼らの専門分野や経験をもとに本気のフィードバックを行います。
はじめに、今回参加するコーチ4名から自己紹介を兼ねたレクチャーがありました。
最初の株式会社ルテシアの代表取締役、大山 徹さんは、コピーライターやゲームデザイナーとしての多彩なキャリアを背景に、「あそぶ」「まなぶ」「つたえる」の3つのキーワードを中心に、楽しい仕事の創り方について独自の視点で話しました。
次に、ジェイコム株式会社(現、ライク株式会社)で取締役として経営管理の経験を持つ我堂 佳世さんは、多様なビジネスの課題解決や大学でのキャリア形成の支援に関する活動について深く触れ、参加者の関心を引きつけました。
続いて、株式会社UNERIの代表取締役CEO、河合 将樹さんが登壇。河合さんは、学生時代の海外での学びや地方での活動、そして東海エリアでのスタートアップの取り組みや社会起業家としての役割について熱く語り、多くの参加者を魅了しました。
最後にステージに立ったのは、株式会社On-Coの代表取締役、水谷 岳史さん。彼は、家業としての造園業での豊かな経験や、シェアハウスや飲食店の運営を通じて得たライフデザインの知識をもとに、“常識に囚われない考え方”や”真の価値”の追求について情熱的に語りました。
プレゼンの後、各チームはビジネス検討に移りました。
この中で、7月22日から8月4日の間に実施した「起業の基礎講座」の復習を行い、オンラインでの5回の講座内容を再確認しました。基礎講座のテーマは、デザイン思考、ビジネスモデル、プレゼンテーション、エフェクチュエーション、ユーザー調査とインタビューでした。
コーチのプレゼンテーションを通じて、参加者たちが新しい視点や刺激を受け取ったに違いありません。その後のビジネスディスカッションタイムでは、自らコーチへ質問を行う参加者もいました。参加者たちは、新たな仲間たちと共に、より大規模な挑戦が始まったのです。8月19日までスタートアップチャレンジを行います。彼らの新たな挑戦を楽しみにしてください!