活動レポート
【開催レポート】スタートアップ・ユースキャンプDAY6
スタートアップ・ユースキャンプの最終回(第6回)のレポートをお届けします。最終回は、発表会の翌日、8月21日(日曜日)の開催でした。怒涛の日々の余韻、達成感・充実感と心地よい疲れが漂うなか、この日の朝を迎えました。
最終日は、まる1日間を振り返りのための日としています。「リフレクション&アクション」というのが、この日のセッションのタイトルでした。モジュール1で2週間、モジュール2で2週間の合計1か月におよぶチャレンジでした。このひと月のあいだにも、折に触れて振返りの機会もつくっていましたが、とはいえ参加者の頭の中は、常に目の前のビジネス活動のことでいっぱいだったはずです。
どんな刺激的な日々でも、一歩さがった俯瞰の視座で、冷静に自分のその時々の感情を味わいなおしたり、経験したことの意味を深く掘り下げて咀嚼しなおしたりといった時間をとらないと、いわば消化不良の状態で止まってしまい、学びや成長として未完了の状態で終わってしまうかもしれない。そこで、本プログラム上のすべてのチャレンジが終了した翌日のこの日、たまりにたまった夏休みの宿題を片付けるように、まとめて振返りの時間をとっています。
この日を最後に、参加者たちは、高校生としての日常にかえっていきます。このスタートアップ・ユースキャンプに参加したことをきっかけに、新たな活動やチャレンジを始めたいと思うメンバーもいるでしょう。ここで気持ちを切り替えて、しっかりとここまでの活動の意味を確認しなおすことは、学生の日常に戻っていくうえでも、これまでとはちがった一歩を踏み出すうえでも、大切なステップになるでしょう。
この日は、まず最初に、レゴⓇシリアスプレイⓇという、自身の内面を掘り下げつつ対話をする手法をつかった振返りをおこないました。(*レゴⓇシリアスプレイⓇの詳細については、こちらをご覧ください。)この手法では、問われたことをいきなり言葉で考えるのではなく、レゴブロックの作品づくり、つまり色や形のある造形物としてそれを表現することをつうじて、じっくりと意味の探究を行っていきます。
チームにわかれて、「起業で本当に大事なこと」というテーマを、作品に表現してもらいました。
次に、「セレブレーション」をおこないました。自分に対して祝う、他者から祝われるという意味です。スタートアップ・ユースキャンプの期間中、仲間と一緒にどんな成長をしたか、どんな強みを発揮したかなどについて、自身と他者の視点から言葉をつむぐことで、自分ひとりでは気づけない強みを知ることができます。具体的には、全員が、チームの仲間に対して、ひとりに対して1枚の付せん紙をつかって、感謝とフィードバックの言葉を書きます。あて先の名前を伏せた状態で書いたそれらをまとめて全員に見せて、どれが誰に対するメッセージかを推理しあって遊んだあとで、書いた本人が正解を発表します。このように、チームの仲間全員から受け取ったメッセージを眺めると、そこには自分が前から自覚できていたことばかりではなく、意外なことも書かれています。それによって、自分自身に対する認知がわずかに変わる可能性があります。また、周りの仲間から感謝の言葉をいっぱいもらうことで、気持ちの上でも前向きになれる時間でした。
次に、全員が輪になって話すフィッシュボウルのセッションを実施しました。フィッシュボウルを実施するのは、第2回につづいて2度目です。前回同様、次々に前に出てマイクを手に取っていく参加者たち。時間があっという間に過ぎていきます。
最後に、参加者全員と、その場にいる大人たち全員(ファシリテーター、メンター、名古屋市)が、ひとりずつ前にでて、チェックアウトのひと言を語りました。スタートアップチャレンジのテーマ活動をこれからも続けていく宣言や、ビジネスパートナーの勧誘(ナンパ)、シリアスで鋭い問題提起など、誰がどんな発言をするか予想できない楽しみがありました。高校生も大人もまじりあって、こんなふうに自己開示をしあえている光景が、まぶしく思えました。
こうして、2022年夏のプログラムは完結しました。実はこのストーリーには続きがあります。プログラム会場であったナゴヤイノベーターズガレージAnnexを、プログラム終了後も使わせてもらえることが、この最終日に発表されました。このときの参加者たちから湧きあがった歓声を録音していなかったことが悔やまれます。
このあと、どんなチャレンジを見せてもらえるか楽しみです。引き続き見守っていきたいと思っています。