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スタートアップ・ユースキャンプ ワークショップ

スタートアップユースキャンプ

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活動レポート

スタートアップ・ユースキャンプ 2022.10.18

【開催レポート】スタートアップ・ユースキャンプDAY5

8月20日(土曜日)、スタートアップユースキャンプの発表会でした。

午前中は準備時間で、午後2時30分から本番です。午前は、全てのチームが時間に追われながら、最後の総仕上げに取り組みました。

これまでのチーム活動の中でも、コーチやメンターから厳しい指摘をもらったり、活動が振り出しに戻ってしまったりと、色々な試練がありました。この日の午前も、スライドの準備がある程度できたところで、前に立って練習で喋ってみたところ、全然うまくしゃべれない。うまく言葉が出てこない。おかしな言葉を口走ってしまう。時間に全然収まらない。さらに、メンターやファシリテーターの大人たちから、「こんな内容ではとてもじゃないけど発表できないよね」とボコボコにコメントされてしまう。こんな場面が、いたるところでみられました。全チームが、やることに追われまくって時間がない混沌のなかで、昼もろくにとれずに、必死の形相で準備に取り組んでいました。

もちろん、発表そのものは、モジュール1のスモールビジネスチャレンジの第2回のときに「株主総会」として経験済みです。そこでの経験を踏まえて、スライドをこだわってつくりこんでいたり、相手にちゃんとメッセージを届けることを意識して準備している様子は、練習段階から感じられます。それでも、伝えたい思いや語りたいことがありすぎてうまくまとめられず、時間の枠の中に収まらずに悩んでいるチームもありました。

準備の時間はこうしてあっという間に過ぎ去り、いよいよ本番です。

発表会は、昨今の情勢をふまえて、対面とオンラインのハイブリッド方式で開催しました。聴衆・ゲストの大部分はZoomできいています。高校生たちは、会場となるナゴヤイノベーターズガレージのステージ上でプレゼンテーションをおこないます。

本発表会には、ゲストとして、プレイベントの講演会「ティーンズミートアップ」に登壇してくれた伊藤羊一さんと村上嘉一さん、そして高校生ビジネスプラングランプリを主催している日本政策金融公庫名古屋創業支援センター所長の石田雅一さんがお越しくださいました。また、名古屋市から中田英雄副市長がご参加くださいました。また、前回の中間発表で厳しいフィードバックコメントをしてくれていたコーチの皆さんの姿もみえました。

発表順に、各チームの事業内容を紹介します。

チーム名:Gramo​

事業内容:企業とシングルマザーの架け橋となるビジネス​の展開、就業支援やスキルアップの提供

チーム名:ミルナビ

事業内容:グルメ×SNS雰囲気検索アプリの開発​

行きたいお店を文字ではなく、写真で直感的に検索するアプリ。入店前に店内の様子を見れる。

チーム名:まつかる​

事業内容:人とお祭りをつなぐアプリ​「まつかる」

お祭り文化の継承を目指すため若年層が対象、お祭りでのみ使えるお祭りコインの開発

チーム名:Liberated Children

事業内容:(不登校の)子どもたちのための居場所とやりがいの提供

宿題のサポートを行ったり、ビジネスを学ぶイベントの実施、保護者へのイベント実施など

チーム名:SAFE Id​

事業内容:障がいの有無にかかわらず着ることができる素材・形でのコーディネートの提供、事前に服の生地を郵送してくれるサービスや洋服のリメイクサービス

チーム名:タイル

事業内容:農家や漁業の後継者不足、労働力不足を解消して、自給自足可能な国を目指す。廃棄食材を譲り受け、レストランで提供していただくサービス

午前の練習のときにはボロボロだったチームがあったことは、本コラムの冒頭にも書きましたが、彼らも、本番の発表のときには、指摘されていた問題点をことごとくクリアして、素晴らしい発表をしていました。人ってこんなに短い時間でも成長するのだな、と改めて驚かされました。

全チームの発表後、ゲストの伊藤さんから、以下の総括コメントがありました。

オンラインでコメントをくださる伊藤さん

「いいなと思ったところが3つあります。1.着眼点がよい、2.どのチームもプレゼンテーションが素晴らしかった。伝わるということはとても大事です。みなさんのプレゼンテーションには感動しました。3.とてもロジカルだったなと思います。

逆にもっと改善できるのではと感じたところは、1.着眼点がいいのに、なぜそのプランなのか、なぜそのサービスなのかというつながりが弱い部分があったと思う。対象の人の痛みや課題に対して、「だから〇〇なんだ」という形でもっと掘り下げるとよかったと思う。そこがつながることで、お金も出すよと、具体的なアクションにつながると思った。もっともっと掘り下げてほしい。」

発表会の最後の時間は、オンライン・対面をまじえた交流会を実施しました。Zoomのブレイクアウトルームの機能で、各チームが別々の部屋で待機し、聴衆とゲストたちが各テーブルを巡回して感想やコメントを伝えてまわるという形です。

交流会が終わり、発表会は無事にフィナーレを迎えました。

発表会終了後に30分だけ一日の振返りの時間をとりました。この時間は、達成感だけではなく、重いプレッシャーからようやく解放された安堵感、そしてとてつもない疲労感におおわれていました。濃密な一日の体験を少しだけ思い出しながら、ほてった頭をクールダウンするような時間でした。全員に今の気持ちを書いてもらったところ、「眠い」という声がたくさんあったのがとても印象的でした。睡眠時間を削って体力の限界ギリギリのところまで奔走していたことの証です。

この日の最後には、私たち事務局のメンバーにとってもささやかなサプライズがありました。片付けをしていたら、ひとりの参加者が私たちのところに来て、「このイベントをやってくれて、本当にありがとうございました。来年以降もぜひやってください。」とまっすぐに感謝の言葉を伝えてくれました。うれしいだけではなく、ほっと安心した気持ちにもなりました。

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