活動レポート
【開催レポート】スタートアップ・ユースキャンプ2024 DAY5
8月17日(土)はモジュール2「スタートアップチャレンジ」の集大成となる発表会です。
本日の会場は様々な起業家をゲストに迎えてイベントを開催しているナゴヤイノベーターズガレージ4Fが会場です。
参加高校生の保護者や教育関係者だけでなく、メディアや事業会社にお勤めの方など幅広い層の方にお越しいただきました。
今回でスタートアップ・ユースキャンプは4年目となりますが、2年前に修了した2期生(現在は大学生)や昨年修了の3期生も多数会場に駆けつけてくれました。回を重ねるごとに起業コミュニティが育ち、プログラム終了後も各自それぞれの活動が継続している事もわかり、ひと夏の学びがその後の学校生活や日々の学びに繋がっていると感じられます。
主催である名古屋市経済局イノベーション推進部の齊藤俊宏部長からの開会挨拶ののち、7月7日(日)に開催した講演会イベント「TEENS meetup」にご登壇いただいた株式会社Arts Japan代表取締役CEOの久世 琢真さんのご挨拶、オンラインからご参加の株式会社スペースマーケット代表取締役社長の重松 大輔さんと続きます。また株式会社ALE代表取締役CEOの岡島 礼奈さんはこの日の参加が難しく高校生たちへビデオメッセージを届けてくれました。
さて今年の発表会から新たな取り組みをはじめました。厳選な審査を行い、最優秀賞、優秀賞を受賞する2チームを選定するコンテスト方式です。更に特別ゲストとして日本政策金融公庫国民生活事業本部名古屋創業支援センターの工藤 秀利所長にも今回ご参加いただき、日本公庫賞を加え3つの賞を提供します。
発表会の審査基準は下記3つです。
1.課題への深い理解(評価の観点:どれだけ課題を的確に理解できているか)
2.効果的な解決策の提示(評価の観点:提案された解決策がどれだけ効果的か)
3.応援したいと思える(評価の観点:その取組みを応援したいと思えるか)
それでは参加高校生による6チームのプレゼンテーションをご紹介いたします。
■チーム名:7kcal (ナナキロカロリー)
事業名:Sha+re(シェアリッププラス)
リップクリームや口紅など1本あたり全体の約16%が廃棄されている事に気が付き、更にこの課題を掘り下げるとコスメを使用する人が直面している3 つの課題(使用期限切れる前にコスメを使い切れない、自分に合った色を見つけるためにいろいろな種類のコスメを試したい、絶対に使わない色がある)を発見。
アンケート結果などから使い切れずに捨てる人が約86%いる事がわかり、家族や友人とshare、今のコスメ業界に+、Reduce(環境に配慮)した三つの柱を掲げるコスメ商品(リップクリーム)Sha+reを開発。3度の試作品を経て、発表会では12個限定の試作品を希望者に提供。
■チーム名:イーッ!チーム
事業名:コケピタ
服選びとオンラインショップ販売についての新時代なビジネスモデルを提供。自分の骨格に合うコーディネート×着たい系統のコーディネートをAIがベストマッチを提供するアプリ「コケピタ」。
100人へのアンケートを通して、自分の骨格がわかっていない人や自分の好きな系統の服を着ることを諦めた人、他人から自分のコーデについて意見がほしいというニーズがあることを知りアプリの企画が生まれた。メンバーの父親が小規模セレクトショップを経営しており、小規模事業者のオンライン販売支援に寄与できる内容も目指す。
■チーム名:チームBee
事業名:ココイルスポーツ
スポーツができる場所探しや人捜しで困っている人が、自分がやりたいスポーツの適した施設や一緒に運動したい人のマッチングを実現するアプリ「ココイルスポーツ」の企画提案。自分が希望する条件に合う人がマッチングができ、直接メッセージの送信が可能、アプリなので若い人も扱いやすいサービス。
2026年に第20回アジア競技大会が名古屋市で開催される。ココイルスポーツは名古屋市民のスポーツ熱を高め地域活性に貢献すると今後のビジョンも熱く説明。
■チーム名:チームDDT
事業名:ホームランドリー
モノづくりを通して形あるもので課題解決する事に魅力を感じるメンバーが集まる。ドアのふちやカーテンレールに洗濯物がかかっているのは、物干し竿のスペースが不足しているなど様々な問題が原因。日常では3割、梅雨の時期では9割の人が部屋干しをしているデータからこの課題に着目、部屋干しの新しいプロダクト「ハレ貼ロープ!」の商品開発を提案。
どこにでも貼り付けられる粘着フックで洗濯物の重みにも耐えられる洗濯ひもを活用して自分が好きな場所に洗濯物が干せる。
■チーム名:fädeln(フェーデルン)
事業名:ConnectWork
ターゲットは高校生。遊ぶためのお金を得る手段として約8割の高校生はアルバイトと答えたが、その答えた8割が実はアルバイトをしていない。自分に合う仕事を選ぶための情報や経験が乏しい事もアルバイト探しが進まない理由のひとつである。そこで高校生が扱いやすいアプリという形で職業診断をもとにスキマバイトができる「ConnectWork」を企画提案。
他社との差別化要素として、バイトをしたい高校生が企業を探す従来の方法を逆転させ、企業が高校生のプロフィールを閲覧してオファーする。高校生が自分の強みを活かせる機会創出にも繋がる。
■チーム名:ええちーむ
事業名:スクマッチ
友達作りが同じクラスや同じ部活の括りにとらわれてる事、またクラス(部活)以外で友達を作りたいと思ったことがある高校生は90.7%というヒアリング結果なども踏まえ、学校内での新しい友達づくりをサポートするアプリ「スクマッチ」の企画提案。
気になる人に気軽に声を掛けられ、趣味や価値観の合う人を探せ、学校側が提供するアプリである事から安心して利用ができる。高校の友達は一生の友達、どんな人でも自分から友達を作れる環境を目指す。
以上6チームの発表を終え、ここからは懇親会です。
今年度はオンライン視聴者向け企画として各チームの発表内容を更に掘り下げていくスタートアップ・ユースキャンプ ラジオを実施しました。
懇親会やラジオが盛り上がっている裏側では、今回の審査員メンバー一同が会議室に集まり、それぞれの採点結果を持ち寄り受賞チーム選定を行いました。
それでは各賞を発表いたします。
■日本公庫賞を受賞したチーム
イーッ!チームの「コケピタ」
■スタートアップ・ユースキャンプ優秀賞
fädeln(フェーデルン)のConnectWork
■スタートアップ・ユースキャンプ最優秀賞
チームBeeのココイルスポーツ
最後に今回のゲストから総評をいただきました。ここではその一部を記載します。
・どのチームも課題設定について身近な事や自分自身が感じた事から着想された事が素晴らしい。
・全チームが様々なデータを活用したり、実際のヒアリングを通して正しい情報を元にビジネスを考案していたのは素晴らしい。
・身近な課題以外にも視野を広げて、自分が体験する事を増やす事で思わぬ発見や収穫があり、そこから新たなビジネスやアイデアに繋がる。ぜひ積極的に新しい事にこれからもチャレンジして欲しい。
・そのサービスは誰がお金を払ってくれるのかまでしっかり考えられると更に良いと思う。
・身近な課題の解決を通して社会課題の解決にどう繋げていくか?高校生たちはその視点を当然のこととして持っていて素晴らしい。
・ビジネスは企画を思いついた後が本当の勝負。とにかくやり切る力が非常に大事である。
今回、受賞したチームもあれば受賞できなかったチームもあり明暗が分かれた発表会となりましたが、良い思い出も悔しい経験も今後の人生においてかけがえのない1日となったのではないでしょうか?
スタートアップ・ユースキャンプは次回Day6が最終日です。
今までの経験や学びを振り返り、ひと夏の学びが今後の人生に活かせる学びとなる様に自分と向き合い咀嚼する大事な時間を提供します。4期生の活動レポートも次回が最終回です。ぜひ最後までご覧ください。